2012年05月15日

再生可能エネルギーに取り組む小さな町、エネルギー自給を目指して 米国(上)


【5月15日 RenewableEnergyWorld.com】米コロラド(Colorado)州ファウラー(Fowler、人口1087人)は、同州プエブロ(Pueblo)とカンザス(Kansas)州の州境をつなぐ150マイル(約240キロ)の回廊に位置する、およそ50万頭の畜牛を抱える町だ。

 数年前、米国の多くの地域は経済的苦境とエネルギー価格の高騰に見舞われた。ファウラーも例外ではなく、地元当局は地域の特徴を生かしたエネルギーで町の未来を救う方策の検討を始めた。ほどなくファウラーは地域内の発電量が消費電力以上となる「グリッド・ニュートラル」なグリーンタウンを目指す米国の町の旗手となった。

 ファウラーの執行部は当初、財政を救うため再生可能エネルギーに着目した。経済発展と環境面での恩恵は後からのボーナスだった。

 米防衛大手ノースロップ・グラマン・エアロスペース・システムズ(Northrop Grumman Aerospace Systems)の幹部を務めた後、当時ファウラー執行部の一員だったウェイン・スナイダー(Wayne Snider)氏は最近行われたインタビューで、「私が思うに、何事も最初の動機は金を節約することだ」と語った。「その後、そこに雇用創出の潜在力があることに気付く」

 ファウラーなど米国各地のいくつかの市町村は、電力コストの低減や州・連邦政府の補助金の獲得、あるいは「グリーンな地域」としてイメージを良くするために、エネルギーの自給を目指す先進的な事業に取り組んでいる。だが実現にあたって、これらの町は多くの課題に直面している。

■ファウラーの一大計画

 スナイダー氏率いるプロジェクトチームはあらゆる選択肢を検討した。風力発電の可能性を調べるため風速計を設置した他、住民に関心を持ってもらうために太陽光発電事業に着手し、総発電容量約600キロワットの太陽光パネルが水道施設や墓地など7か所の公有地に設置された。

 太陽光パネル関連の事業はコロラド州デンバー(Denver)の企業バイブラント・ソーラー(Vibrant Solar)が総工費120万ドル(約9600万円)で請け負い、既存の電力料金のおよそ半分の価格でファウラーに売電することになった。

 この取り組みは大きな反響を呼んだ。米コロラド州立大学(Colorado State University)、米国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory、NREL)などが支援を申し出た。太陽光パネルの稼動開始を祝う式典には当時のビル・リッター(Bill Ritter)州知事も出席した。

「私たちは(太陽光発電で)どれだけの金が節約できるかを社会に示そうと試み、実際に町は金を節約できた。初年度でおよそ2万ドル(約160万円)の節約になったはずだ」とスナイダー氏は振り返る。

 さらに町の南に2000キロワットの太陽光パネルを設置する計画が続く予定だった。また、牛ふんを嫌気性細菌で処理してメタンガスを発生させる施設ができれば、グリッド・ニュートラルの実現に近づき、45人の雇用も創出されるはずだった。(c)RenewableEnergyWorld.com/Dave Levitan/AFPBB News

(下)に続く

執筆者のデーブ・レビタン(Dave Levitan)氏は主にエネルギーと環境問題を扱うジャーナリスト。「Yale e360」「OnEarth」「IEEE Spectrum」などに寄稿している。再生エネルギー専門サイトRenewableEnergyWorld.comにこの記事の原文(英語)が掲載されています。
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2012年05月03日

温暖化の植物への影響は過小評価されている、米研究


【5月3日 AFP】地球温暖化が植物に与える影響をシミュレーションした実験で、実際に世界で起きている事態が過小評価されていると指摘する研究が、2日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。

 特に北半球を中心とした農業従事者や園芸家などからは、植物の季節ごとの成長や変化がこれまでよりもかなり早まっているという報告が上がっているが、今回の調査結果はこれを裏付ける内容だ。

 人工的に環境を設定して行われる地球温暖化に関する実験では通常、上部が開いた温室のような設備の中に植物を入れるか、屋根に小型ヒーターを付けた覆いで植物を囲い、気温上昇を再現する。こうした実験では気温が摂氏1度上昇するごとに、植物の開花や芽吹きが1.9〜3.3日ほど早まるという結果が出ている。

 しかし今回の論文は北米、日本、オーストラリアの約20機関が実施した植物1634種に関する温暖化実験と、それらの植物の野生での長期的観察の比較に基づき、実際の温暖化の影響はもっと大きく、摂氏1度上昇するごとに開花や芽吹きは2.5〜5日ほど早まると指摘している。

 論文は、実験においては光や風、土壌の湿度といった植物の季節変化に影響する気温以外の要素が十分再現されていないところに欠陥があるのではないかと述べている。

 国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2007年に発表した第4次評価報告書(Fourth Assessment Report)によると、1906年〜2005年の地表の気温上昇幅は摂氏0.74度。2011年には、二酸化炭素の排出が現在のペースで続けばさらに摂氏2度上昇するとの別の報告も出ている。

 しかし、これらの評価は控えめすぎ、地球上の多くの場所で世界全体平均よりもずっと速く温暖化が進んでいると指摘する専門家もいる。

 米コロンビア大学(Columbia University)地球研究所(Earth Institute)は、ワシントンD.C.のサクラの開花時期が1970年代と比べ、約1週間早まっていると指摘。「この傾向が続けば、2080年には2月にサクラが開花してしまうという予測さえある」と警告している。(c)AFP
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2012年04月08日

最薄・最軽量の有機太陽電池、日豪大学が共同開発


【4月7日 AFP】オーストラリアと日本の研究者らは4日、クモの糸よりも薄く、髪の毛にも巻き付けることができるほど伸縮性の高い太陽電池を開発したと、英オンライン科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(Nature Communications)で発表した。

 フィルム上に有機半導体の薄膜が形成されたこの太陽電池の厚さは約1.9マイクロメートルで、研究者らによると、これは現在最も薄いとされる太陽電池の約10分の1の厚さだという。1マイクロメートルは1メートルの100万分の1。

 この新しい太陽電池について、研究チームに参加する東京大学の関谷毅(Tsuyoshi Sekitani)准教授は、極薄で重さも感じず、伸縮性にも富んでいると説明している。また、衣服にバッジのように装着して太陽光を電気に変換することが可能で、例えば健康モニターを身に着けて歩きたい高齢者がバッテリーを携帯する必要も無くなると述べた。

 太陽電池の変換効率はそのサイズに比例して上がる。今回開発された太陽電池は伸縮性に富んでいるため、サイズを拡大しても折れ曲がって破損する危険性が少なく、バッテリーのサイズを大きくすることも可能だと関谷氏は述べている。と関谷氏は述べている。

 今回の研究は豪ヨハネスケプラー(Johannes Kepler)大学リンツ校のマーティン・カルテンブルンナー(Martin Kaltenbrunner)博士、ジークフリート・バウアー(Siegfried Bauer)教授および東京大学の関谷氏をはじめとする研究者らが共同で行った。

 研究チームは、太陽光を電気に変換する効率を上げ、5年後の実用化を目指しているという。(c)AFP
posted by つくね at 08:19| Comment(0) | 環境・サイエンス・IT | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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